Vまん、徒然

北の果ての素人ギター弾き、独り言

特撮と人間椅子に敬意を表する会、無事終了しました。

打上げ会場のBAR1/3にてふと我に返って思ったのは、特盛のみなさんや恐怖新聞社のみなさんが普通にそこにいて盃を交わし、あれっ、ここは青森だよな…って。
冷静に考えると、普段普通通りの生活を送っていたら一生交わることがなかった方々なんです。ただ近い音楽が好きだという、そのたったひとつの共通項だけで繋がった奇跡の縁です。
特盛のボーカル伊織さんが書いてました、コピバンなんていつでもやめられるのにと。そうなんです。みんな中学や高校のころに打ち震える音や言葉に出会い、楽しさと嬉しさのもとに憧れの人の模倣を始める。でもその後、大半の人は徐々にほかのことに時間とお金と気持ちを削がれて辞めていく。僕たちは、ただやってきただけなんです。自分たちがいちばん楽しめる揺るぎないものをわかってて、ただ好きでやり続けてきただけなんです

9/16、一年近く構想を練ってきたそのライブが執り行われました。
昨年我々毒撮を東京池袋に呼んでいただいたそのお返しを今回しようと思っていました。参加メンバーはみんな、人間椅子や特撮、大槻ケンヂさんのことを好きで、愛して、理解している人ばかり。事前に曲が被らないように、セッション時の曲の確認も取り、お互いに密に連絡を取り合いながらこの日まで準備してきました。

前日入りした東京組のみなさんとの前夜祭。もうそこから楽しくて、間違いなくいい明日が来るはずだと確信しました。
ライブ当日。リハーサル。みなさん自分のバンドの予定時間に間に合うように来てもいいものを、最初からほぼ揃うという正しい大人の図。ついにこの日が来たなぁと、今日はその分燃え尽きてもいいやくらいの気持ちで臨みました

正直、不安だったのは集客で、ライブイベントとしてとてもマニアックで間口が狭く、ご存じではない人にとっては怖いイメージもあったでしょうし、しかも開催場所である青森のバンドの、毒撮と毒魔のメンバー計7名しかチケットを捌ける人間がいなかったという事実。難産覚悟のうえ、でも絶対楽しいものにする自負はありましたから、本当にたくさんのかたに直接連絡を差し上げました。中には特撮や人間椅子を知らない方も当然いたり、ほかの予定が入りやすい3連休の中日にもかかわらずスケジュールを調整してくださるかたもいたり。ですから、あの日あの場所にいらしてくださった方々には本当に感謝をしています。来ようとしていたけど来れなかった方々にも感謝をしています。本番中バタバタしていて、来てくださった全ての方に御礼のご挨拶を直接できていないことがもどかしい。この場を借りて、心から多大な感謝を捧げたく存じます。

我々毒魔からライブはスタート。お客さんもいっぱいだ。なんとありがたい。人間椅子のカバーというのは、難しいリフを弾きながら難しい歌詞の歌を歌うという、これほどまでマゾヒズムを感じることがほかにあるだろうかという難易度でして、ほどよい緊張感のもと幕は開きました。6曲やって温まってきたところで、神奈川よりいらした恐怖新聞社さんにバトンタッチ。敢えて両バンドとも出囃子が此岸御詠歌という演出。恐ろしさと楽しさが同居する憑依のステージ。特にベース棚木さんの入り込みようは凄い。ギター甲斐さんは優しそうな人柄が演奏にも現れていました。セーラー服に身を包んだドラマーの亡南無子さんは小柄な女性なのに力強くて、難しいはずの変拍子もノーミスで叩いていました。やっぱり椅子の曲はいいなぁと噛み締めながら、怖いはずの曲を、口角が上がった顔で見ていました。
せっかくの機会だから、一緒にセッションしたいなぁとは最初から考えていて、それを実行しました。毒魔+恐怖新聞社。毒に満ちた魔物の恐ろしい新聞の会社ですよ。そら楽しいに決まってる。セッション向けの曲として2曲選び、にこやかなギターサイドと極悪過ぎるベースサイドのコントラストも素晴らしく、この時間がずっと続けばいいのにと思うくらいに面白かったです。

転換して特撮の部へ。
東京からいらした特盛さん。この方々がいなければ、約2年前のあの日にメッセージをくれなければ、この集まりも、今日という日も無かったのです。一般的に希薄と思われがちなネット上でのお付き合いも捨てたものではなく、要はどんな道具でも使い方次第なんですね。去年の池袋の夜も楽しかった。たくさんおもてなしをしていただいた。その思いを、やっと返せる日が来た。存分にライブをしてほしいと願っておりました。特撮の名曲オンパレードのステージ。キメの部分でお客さんの腕があがる。曲を知ってる人は一緒に歌う。いいぞ。とてもいい一体感だ。呼んで良かった。来てくれて良かった。たくさんのお客さんが見てくれている。バンドも応える。直前までの不安が払拭されて、いろんな気持ちがこみあげてきます。いや、泣いてる場合じゃない。毒撮の出番だ。吹っ切れてまあそれはミス多かった、しかしやりきった感に満ちたこの気持ちはいったいなんだ。なんだろう。
最後、特盛+毒撮のセッション。毒盛の特撮です、これまた楽しくないはずがありません。これ以上乗らないよと思える人数と楽器が、ステージ狭しと。暴れやすい2曲を、それぞれがそれぞれの思いを込めて、それぞれのパフォーマンスで

終わった…
準備してきた我がバンドメンバーと、遠路はるばる来てくれたバンドさんと、足を運んでくれたすべてのお客さんと、会場のスタッフと、みなさんのおかげさまを持ちまして、無事、滞りなく遂行できました…
個人的に5週間連続ライブの最後だったのもあり、やりきったなぁとスゥーっと魂が抜けていくようでした。

打上げの席。ビールがうまい。ふと、考える。ここは現世か。で、最初の文章へ繋がるわけです。みんなやりきって満足げににこやかだ。よかった、本当によかった…

連休も明け、向こうのみなさんも平常に戻って今ごろお仕事してるんだろうなぁと思いながら。きっと、真面目に音楽やって真面目に行動してる人は仕事も真面目なはずなんですよ。お付き合いに大事なのは真面目さです。そんな人ばかりが集った大人のライブだったんだと、今、改めて思い返しています。

きっかけを作ってくださった、特撮と人間椅子に感謝を込めて。


【特撮と人間椅子に敬意を表する会   ~綿いっぱいの地獄風景~】

「毒魔」
太陽の没落
賽の河原
人喰い戦車
幸福のねじ
陰獣
迷信

恐怖新聞社」
黄金の夜明け
ダンウィッチの怪
水没都市
悪魔の手毬唄
人面瘡
地獄の球宴

「毒魔+恐怖新聞社セッション」
針の山
ダイナマイト

「特盛」
人として軸がぶれている
音の中へ
戦え!ヌイグルマー
ピアノ・デス・ピアノ
旅の理由
5年後の世界
林檎もぎれビーム
綿いっぱいの愛を

「毒撮」
オム・ライズ
バーバレラ
ロコ!思うままに
花火
テレパシー
7人の妖

「特盛+毒撮セッション」
特撮のテーマ
アベルカイン

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