Vまん、徒然

北の果ての素人ギター弾き、独り言

人間椅子 おどろ曼荼羅~人間椅子2018年春のワンマンツアー

初のMV集DVD「おどろ曼荼羅」発売に伴う、人間椅子の春のツアー青森公演へ行ってきました。
会場は青森Quarter。DVDには古い曲も収録されているので、その辺もやってくれるかな~と期待して臨みました。

毎度1曲目の予想をしながら気分を高揚させるのですが(なかなか当たらないが)、相応しい曲として今回は「東洋の魔女」かな?と思っていましたらば、普通に新しめの曲「超自然現象」でスタート。

次の曲「りんごの泪」で一気にデビュー時へ回帰。これはシングルにはなっていない曲なのですが、デビュー後の人間椅子の曲としては一番知名度の高い、一般の人も入っていきやすいもの。1stが発売されたあの当時には、ボーリング場などにレーザージュークというお金を入れてPVを流す機器があり、よくそれでこの曲を流したものでした。

続いて、硬派なサウンドで且つわかりやすくメロディアスな名曲「幽霊列車」、壮大なエンディングが感動を呼ぶ「桜の森の満開の下」、ストレートな題材に乗せた研ちゃん流のハードポップ「怪人二十面相」、
8分近いのに1stシングルになった静から動への一連の物語「夜叉ヶ池」とかつての珠玉が演じられます。

だいたい2曲ずつ、ゆるいトークを挟みながら、原則的には和嶋さんと研ちゃんのメインボーカル曲を交互に、というのがいつもの人間椅子スタイルです。
そしてBS番組の主題歌として書き下ろされた「命売ります」を初披露。かつて聖飢魔Ⅱがこの世に現れたときのキャッチコピーは「お茶の間にヘヴィメタルを」でしたが、和嶋さんがこの曲を作ったときに思った気持ちは「お茶の間に毒を盛る」だったそうです。題材は三島由紀夫。ドはまりですね。正に適材適所です。

ドラムにノブさんが加入して最初のアルバム「三悪道中膝栗毛」の頭を飾るシンプルで重い「洗礼」に続き、この後の中盤コーナーはいつもの、楽器を持ち替えてのローチューニング曲タイム。

ダースベイダーのテーマから触発されたリフレインに世紀末感を入れ込んだ「恐怖の大王」から、マスヒロさん最後の参加アルバムとなってしまった「修羅囃子」収録の「東洋の魔女」へ。生で聴けたのは15年ぶりじゃないでしょうか、貴重です。この先もたぶんしばらくやることはないだろうとのことです。
ここまでで、アルバムのトップを飾る曲が5曲も組み込まれており、人間椅子として印象の深い、代表的な曲群が畳み掛けられてきているということです。

続いて、MVにもなっていない、シングルにもなっていない、だがしかしファンの間では誉れ高き大曲、ムー大陸アトランティス大陸の伝説をテーマにした「水没都市」へ。意外な選曲への喜び。会場のどよめきがそれを物語っていました。

レギュラーチューニングに持ち替えた後、いつも元気をくださるノブさんコーナー。メインで歌うシャッフルのブギー風ナンバー「悪夢の添乗員」。コーラス部分はみんなで大合唱。

研ちゃんの爆裂バイクソング「地獄のヘビーライダー」、高くて声が出ないとかはもうどうでもいい感じの、勢いたっぷりの疾走曲。間を置かずスラッシーな「迷信」、本編ラストを締める定番「針の山」へ。ここでいったんメンバーは下がります。

アンコール。佳曲が詰まったアルバム「未来浪漫派」から「浪漫派宣言」へ。新しめのイメージがありますが、そうか、もう8~9年経つのか...
爆発・瞬発の激烈パチンコソング「ダイマナイト」で二度目の締め。

ダブルアンコール。ラストナンバーは、津軽弁のおしまいの意をなす「どっとはらい」。プログレチックな中間部を挟み、重くうねるリズムにあの和嶋さん節のソロが乗りまくり、エンディング。

ざっとこのような流れでございました。
桜、弘前公園、トゲクリガニ、ムー、ダブルネックギター、MV撮影四方山話、ルックスの遍歴などなど、地元ネタや旧友ネタや製作に係る裏話などをゆるく方言交じりで語りながら、演奏が始まれば、硬く重くかっこいい。

深い歌詞と工夫されたリズム、今までどこかにありそうだったのになかった斬新なリフレイン。椅子の魅力とは、それらが入り混じり、常に進化しつつも本質がブレていない、その太い一本筋の頑なまでの潔さです。

ここ5~6年、売れてきて、ほんとうに良かった。売れない時期を必死で応援してきたファンはみんな、きっと、どこかに複雑な思いを感じつつも、でもそれをそっと秘めて今までどおりにライブに通う。
もう昔みたいに、載っている雑誌を全て買ったり、出演されるラジオ番組を必死で全部チェックしたりはしないけど(もうそういうことをしなくてもバンドが昇っていくと確信してるから)、音源を買い続け、ツアーグッズを買い続け、ライブへ足を運び続けます。

終演後、和嶋さんと握手していただきました。普段あんなにたくさん魅力について人に語っているのに、本人を目の当たりにすると緊張しすぎて何も言えなくなってしまいます。慌てて出た変な言葉を恥じること、多々。自分にとってのそういう神のような存在はほかにあまりいないのです。「ギリギリと品川心中も聴きたかったです」って言ってしまったけど、余計だったなぁ...。失敗。

今回も素晴らしいライブを届けてくださいました。和嶋さんの天賦の才能に、研ちゃんの優しさをも秘めた激しさ重さ、ノブさんのパワーと元気な社交が加わって人間椅子なんです。

ほかに、ないんです。

今までも、これからも、ずっと大好きです。


『おどろ曼荼羅人間椅子2018年春のワンマンツアー』

超自然現象
りんごの泪
幽霊列車
桜の森の満開の下
怪人二十面相
夜叉ヶ池
命売ります
洗礼
恐怖の大王
東洋の魔女
水没都市
悪夢の添乗員
地獄のヘビーライダー
迷信
針の山
en)
浪漫派宣言
ダイナマイト
en)
どっとはらい


追伸:
いきなり後ろから押してきて一人で暴れてた白ヒゲをチョロッと長くしてるハゲ野郎、迷惑だからもう来んな。子どもか。
全曲知らないんならせめて勉強して来い、それからだ。

 

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